Yさんのお話の続きです。
Yさんが亡くなってから、1ヵ月ほど後に妹さんから電話がありました。妹さんが遺品を整理していたら、私からYさんあてに差し上げてお手紙などが出てきたそうで、私は悪質な健康食品業者の仲間とは違うということを分かっていただいたようでした。
妹さんは、総額で何百万円もその商品を買わされ、命まで失ったのですから、その会社を訴えたいともおっしゃっていました。
しかし、証拠となるものが何も残っていないのだそうです。「飲めば必ず治る」と言われたことも「具合が悪ければもっと飲め、もっと風呂に入れ」と指示されたことも何も証拠が残っていなかったそうです。
そういえば「この商品が一般に流通してしまうと医学会や医薬品業界が大変なことになるので、あるところから圧力がかかっていて、そのためあまり一般に知られていない」なんて、こんなあきれたことも言っていたそうです。
おそらく後で問題にならないように、証拠となる文章などは残さないようにしていたのでしょう。結局泣き寝入りということになってしまったようです。
それから半年ほどして、マスコミにその健康食品が登場してきました。病気の女性が、その関連する施設内で適切な治療をされなかったために亡くなったなったということが事件となり、その健康食品はマスコミに叩かれていました。
今ではインターネットで調べてもその商品を販売しているようなサイトは見つかりませんでした。
その替わり、被害者の会のサイトを見つけました。この商品を頼りすぎて具合が悪くなったり、帰らぬ人となってしまった人、金銭面での損害を被った人など、その被害者を救済し同じような被害を繰り返させないために、被害者の会が発足たそうです。
私にとってYさんの死は忘れられない出来事です。今、私が健康食品やサプリメントの正しい情報をお伝えすることに、使命感を感じてお仕事を続けているのも、Yさんのお陰だとかも知れません。
Yさんのためにも、みんなの健康のためにも、私自身のためにも、この業界のためにも、この気持ちは忘れてはいけないと思っております。(原)
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