田舎の葬儀は、大変です。
亡くなった日は自宅に連れて帰り「線香明かし」と言って、お線香を消さないように家族で見守りながら朝を迎えます。これが「お通夜」みたいなもので、知らせを聞いた知人や友人が訪ねてきます。
次の日は「入棺」です。親戚一同が集まって、お経を唱え、ご遺体と棺桶に入れる儀式です。その日の夜は自宅で弔い酒です。ご近所の女性が集まって肉、魚を一切使用しない精進料理をつくり、男性は飲み会です。この日も「線香明かし」をしますので家族は眠れません。
次の日は「火葬」です。
火葬の後は「お念仏」で、これはかなり珍しいと思います。「お念仏」とは、親戚一同が輪になって正座し10mくらいの巨大な数珠をみんなで持ちます。輪の中心に一人が正座して「なむあみだんぶ」鐘を叩きながら独特の節回しを付けて唱え、それに合わせてみんなで唱えるのです。大きな数珠はみんなで合わせて廻します。輪の外にもご近所の方などが集まって一緒に唱えます。
20分くらい続けるのですが、本当は「なむあみだんぶ」を100万回唱えるものなんだそうです。100万回唱えるには4日もかかるので、20分程度に省略しているのだそうです。
この日の夜も自宅に集まってみんなで弔い酒を飲みます。ここでもご近所の女性が、精進料理など全てを用意します。
次の日(今日)は亡くなって4日目ですので、縁起が悪いということでお休みです。何もしません。
そして明日が告別式です。
私は田舎の葬儀をすべて体験するのは初めてですので、かなりカルチャーショックを受けています。(K)
お念仏の道具
